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6月30日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 508字|2003.6.30|社会 (society)|ハロハロ ]

 三月末から六月半ばまで続いた長い夏休み。その間、自宅から徒歩五分の距離にあるクラブハウス内のプールは終日子供らに「占拠」された。今は、マニラ湾に沈む夕日が刻一刻と織り成す微妙な茜(あかね)色の変化を楽しみながら、一人で気兼ねなく泳げる。大げさに言えば、至福の時を取り戻した思いがしている。

 来年五月の統一選を控え、新学期スタートとともに、公立校のすし詰め教室、教員・教科書・備品等の不足がにわかにキャンペーンされた。貧困層の子弟はいやおうなく公立校に通わざるを得ない。首都圏とその近郊では一クラス百人以上で、午前、午後の二部制を敷く高校はざらという。公立校問題をめぐる大統領らの思惑ありげなパフォーマンスに「何を今さら」と白けた国民も多いはず。

 無い無い尽くしの公立校設備もさることながら、気になるのが児童・生徒の夏休み中の学力低下。プールに同伴して来ている親に尋ねても宿題を課している学校は皆無だった。日課として自習している子も見当たらなかった。新学期直前に古い教科書で復習するのが多数派のようだ。「夏休み用の自習教材を無料配布する」と唱える議員はいない。とても票には結びつきそうにないからか?(康)

ハロハロ