ハロハロ
[ 437字|2002.7.22|社会 (society)|ハロハロ ]
台風、南西季節風の影響で大雨が続いた。文字通りの「豪雨」に驚いた方も少なくないのではないだろうか。犠牲者が大勢出た中で不謹慎な話だが、実はこの豪雨を心待ちにしている。何かが起きそうな、非日常的なハラハラ感がたまらず、大雨の夜など一人「首都圏パトロール」に出動する。野次馬根性丸出しで。
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不謹慎な話をもう一つ。五年ほど前、日本に一時帰国した際は台風来襲が楽しみだった。大げさな言い方だが、「遠路はるばるフィリピンから来たか」と旧友を迎えるような気持ちさえあった。災害警戒と称してテレビの台風情報を見ながら夜を明かし、暴風圏に入れば南から運ばれてきた空気を胸一杯吸った。
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台風は空気と一緒に熱帯のチョウも日本へ運んでくる。本来生息できない地域へ迷い込んだという意味で「迷チョウ」と呼ばれる。一時帰国中、収集家の記事を書いたことがあった。取材後、比で体験した豪雨、台風のすごさを力説していると、収集家は一言「あなたも迷チョウですな」。返す言葉がなかった。 (酒)