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7月1日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 435字|2002.7.1|社会 (society)|ハロハロ ]

 マニラ市トンドの貧困層居住区を定期的に訪ねている。最大の楽しみは海外出稼ぎ者の実家めぐり。木造の家がコンクリートに変わり、いつしかクーラーさえ入る。一方で、外貨供給がストップして家財道具があぶくのように消えていく家もある。あまりに短い興亡のサイクルはまさに「夢」だ。

 円やドルは外国メーカーの電化製品や車にどんどん化け、それぞれの母国へ戻っていく。外貨を元手になにがしかのビジネスを始める人はまだまだ少数派で、夢を維持するには出稼ぎにまた行くか、適当な「パトロン」を見つけるしかない。かくして「五人に一人が国の将来を悲観して海外移住を考える」ようになる。

 国の現状も大同小異。他国からの借金でインフラ整備を続けているが、借りたカネの多くはこれまた工事業者などを回り回ってやはり母国へ戻る。援助する側から見れば、貸した税金が金利付きで戻る上に自国企業にカネを落とせるわけで悪い話ではない。おまけに「援助」という外交カードも付いてくるし。 (酒)

ハロハロ