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3月4日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 417字|2002.3.4|社会 (society)|ハロハロ ]

 ミンダナオ島南西部に点在して伸びるスルー諸島。かつてジャワ、マニラ、中国を結ぶ交易の中継地として栄え、現在、住民の九〇%以上がイスラム教徒という。この諸島の一つ、バシラン島が、いま注目されている。イスラム過激派、アブサヤフ掃討を兼ねた比米合同軍事演習の「主戦場」になるからだ。

 「テロの拠点」としてクローズアップされているが、ここには一四五〇年、すでにイスラム王国が成立していた。マゼランがセブ島に到達した一五二一年より七十一年も前のことである。スペイン、米国の植民支配に抵抗し続け、米国がスルー王国を制圧するのに十五年近くかかったという。

 スルー諸島の歴史を振り返ると、アブサヤフを一人残らずせん滅しても、イスラム教徒の心を変えられるかどうか。フィリピンのイスラム教徒は同じ宗教を信仰する共同体としての意識が強く、政治的、軍事的な結束を進展したとも歴史書に記されている。この地方に平和がよみがえるのはいつの日か。(濱)

ハロハロ