邦人男性撃たれ負傷 拳銃強盗、ついに発砲事件に
マニラ市エルミタで邦人男性2人が拳銃強盗に遭い、抵抗した1人が撃たれ負傷
首都圏マニラ市エルミタ地区マビニ通りで12月29日未明、2人組の邦人男性を標的とした拳銃強盗事件が発生し、邦人1人が撃たれて負傷した。1日に首都圏警察がまにら新聞に対し明らかにした。犯人はスクーターに乗った2人組で、抵抗する素振りをみせた邦人に発砲。邦人男性のうち1人(69)が銃傷を負い、マニラドクターズホスピタルに搬送された。現在警察は逃走ルートを推定した上で、監視カメラ記録の確認作業を行っている。被害者は被害届を提出しており、容疑者が特定され次第、逮捕状を請求する見通しだ。昨年10月以来続発している首都圏拳銃強盗だが、10件目でついに発砲事件が起こり、負傷者を出す事態となった。
事件は同日午前2時49分、2人が滞在するホテルから100メートル程度先の路上で発生。撃たれた69歳の邦人男性は現金1万5000ペソと9万円、携帯電話の入った白色のかばんを奪われ、もうひとりの55歳の邦人男性は現金3万ペソと携帯の入った茶色のかばんを奪われた。
目撃証言によると、容疑者は2人とも20~30代くらいの男。銃撃した方は黒のジャケット姿、運転手は白のショートパンツを履いていた。犯行現場からは複数の薬きょうが押収され、マニラ市警察本部で鑑定を行なっている。
銃撃を受け、病院に搬送された邦人男性は資金的制約からフィリピンでの手術を断り、日本で治療を受けるため2日までにも帰国する。負傷部位や傷の深刻さは不明だが、主治医は、容態が安定していたためとして、男性の求めに応じて退院を許可した。
国家警察マニラ市本部のマルセド4級巡査部長は一連の路上強盗事件について、「日本人を含む外国人を標的とした同じ手口の犯行であり、同一グループが複数件に関与している可能性もある」と語った。
在比日本国大使館は、連続する拳銃強盗への対応として①夜間の徒歩移動はなるべく控る②貴重品はなるべく持ち歩かず、やむを得ないときは分散保持する③強盗に遭った際には、身の安全を第一に考え、絶対に抵抗しない――などの対処を呼びかけている。(竹下友章)