ロケ氏に2回目の逮捕状 召喚に応じず議会を侮辱
下院議会のPOGO調査委員会がロケ元大統領報道官に対し、議会侮辱罪で2回目の逮捕状を出す
下院議会で違法オンラインカジノ企業(POGO)に関する公聴会を実施しているクアッド特別委員会はこのほど、公聴会の召喚命令にもかかわらず相次いで欠席し、求められている資産負債報告書などの提出を拒否しているロケ元大統領報道官に対して議会侮辱で2回目となる逮捕状を発出した。同議会の逮捕執行官が13日、マカティ市サルセドにある同元報道官が経営する法律事務所に逮捕状を送達しようとしたが、本人の姿はなく事務員も逮捕状受け取りを拒否したという。15日付英字紙インクワイアラ―が報じた。
ロケ元報道官は下院の同委員会から8月下旬に1回目の逮捕状が発出された際には、下院の拘置施設に一時収容されていた。下院議会のベラスコ事務局長によると、ロケ元大統領報道官に対する2回目の逮捕状を執行するため国家警察も協力することが決まり、現在、所在が分かっていない同報道官の逮捕に向けた捜索が全国規模で始まる見込みだという。
ロケ元報道官はパンパンガ州ポーラック町で今年6月に投資詐欺や人身売買などで警察の家宅捜査を受けた中国系POGO企業「ラッキーサウス99」の設立に弁護士として深く関わっていた疑惑が浮上し、上院や下院でPOGOを調査する公聴会に召喚されてきた。また、7月にはロケ氏が所有するとみられるベンゲット州トゥバ町の住宅でPOGO関係者とみられる中国人2人が逮捕されたこともあり、公聴会での追及が強まっていた。
ロケ氏はその後、下院の特別委員会から自身の資産負債報告書や納税申告書に加え、パラニャーケ市のビレッジにある住宅の売買契約書やPOGO出資会社の株式譲渡証明などの提出を求められ、同委員会を「(非合法な)カンガルー法廷だ」として、今後の出席を拒否する意向を示した。そのため、今月12日にロケ氏に対し、下院議会の同委員会から議会侮辱罪として2回目の逮捕状が発付された。(澤田公伸)