南シナ海での集団漁業成功 中国の「禁漁宣言」に対抗し比漁民
中国による「禁漁宣言」に抗議するため実施した南シナ海での集団遠洋漁業に成功したと比漁民団体
中国海警局が5月15日から約4カ月間にわたり南シナ海北緯12度以北の海域における禁漁を一方的に宣言した問題で、フィリピンの小規模漁業組合連合パマラカヤのロンネル・アラムブロ副議長は5月31日、ラジオ局のインタビューに対し、抗議の意味を込めた組合員らの漁船20隻以上による禁漁宣言海域に当たるスカボロー礁周辺での集団遠洋漁業を無事成功させたと明らかにした。
同副議長によると、参加した漁船は30日午後4時ごろにサンバレス州の漁港から出発し、31日に集団で漁業を行いながら、スカボロー礁から20~30海里東の海域まで到達したという。
同副議長は「(中国側による)妨害行為は全くなかった」とした上で、「この集団漁業は中国政府による禁漁宣言に対するわれわれの抗議の一部だ」と強調した。
また、アラムブロ副議長は、比の独立記念日である6月12日に同組合連合のメンバーらによる海上での漁船による抗議パレードを実施する予定だとしたほか、中国による南シナ海領有権主張を退けた常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断が出た7月12日にも同判断を記念する集団遠洋漁業を再度、実施すると表明している。(澤田公伸)