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12月7日のまにら新聞から

「子どもたちを元気づけたい」 バイク愛好家団体が「トイラン」開催

[ 1315字|2023.12.7|社会 (society) ]

ハーレーダビッドソン愛好家団体「マッドドッグ」がマカティ市で子どもたち約250人を集めたクリスマスイベントを開催

「トイラン2023」の最後にマッドドッグのメンバー(後列)と記念撮影をする子どもたち=4日、首都圏マカティ市のハンドルバー・アンド・グリルで岡田薫撮影

 大型バイクのハーレーダビッドソンの愛好家団体「マッドドッグ」が3日、首都圏マカティ市のハンドルバー・アンド・グリルで、孤児院などで暮らす子どもたち約250人を集めた恒例のクリスマスイベント「トイラン2023」を開催した。子どもたちには、無料のジュースや食事が提供され、手品やゲーム、歌のほか、サンタクロースに扮したマッドドッグメンバーからプレゼントも配られた。また、写真ブースでは仮装グッズに身を包み、顔にペイントを施してもらうなど大いに楽しんでいた。

 比を本部にアジア各地に広がるマッドドッグの比会長であるオーストラリア人のスティーブ・アイレスさんは、1997年に加入。以来26年が過ぎたが、比滞在歴はその14年前までさかのぼるという。この日のイベント冒頭で「スポンサーの方々に感謝する」とした上で「子どもたち、今日という日を楽しめ。写真ブースをはじめ、ここでできる遊びは全て試してほしい」と挨拶した。

 「国境のない多様性」を掲げ、同バーを活動拠点とするマッドドッグの比メンバーは60人以上。パンパンガ州アンヘレス市にも支部を持つ。メンバーは比人に加え、オーストラリア人や米国人、英国人、ルクセンブルク人など外国人が半数に上り、日本人も1人いる。現在、比在住の「アクティブ」メンバーは約50人だという。

 アイレス氏によると、マッドドック設立は1994年、その後タイ支部が99年に発足。以降は日本(2000年)、シンガポール(02年)、香港(03年)、中国(09年)と続く。中国は北京、日本は福岡に支部を構える。主な活動としてはバイクで走るほか、慈善活動のための寄付金集め、施設で保護された児童におもちゃを届けて回る「トイラン」など。

 今回集まったのはマンダルーヨン市やリサール州アンティポロ市などにある孤児院4カ所の子どもたちに加え、貧困地区で暮らす子どもたちも。さらにパンパンガ州からも山岳先住民アエタの子どもたちが参加していた。遠方からはバス会社「ビクトリーライナー」が、近場のマニラ市サンアンドレス地区からはジプニーで送迎が行われていた。

▽15年近く継続

 ハンドルバーは2003年に産声を上げた。そこで15年間にわたってマネージャーを務めるジェス・マガニトさんによると、このイベントは2009年に始まり、新型コロナ禍の20年、21年を除き、毎年12月の第1日曜日に行われてきた。バー側が250人の子どもたちに食事などを提供し、マッドドッグ側がエンターテインメントやプレゼントなどを準備したという。

 継続的なイベントにかける思いについて、「親のいない子どもたちを元気づけたい」とマガニト氏。初めて会う子も多いが、「かつて4歳だった子が10歳になっていたり」と喜びを口にした。

 パンパンガ州ポラック町ビリャマリアからバスで約2時間かけて参加した子どもたちは、イベント後、口々に「とっても幸せ」と笑顔いっぱいで心境を表した。またマンダルーヨンから昨年に続いて参加していたエイスリン・マブーティちゃん(2)の母親は、「(こうしたイベントが)嬉しい。どうもありがとう」と感謝を示した。(岡田薫)

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