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10月19日のまにら新聞から

自衛隊が比基地利用可に RAA締結は「年内目標」

[ 1342字|2023.10.19|社会 (society) ]

国防相は比日RAAについて年内締結を目指しており、発効すれば自衛隊が国軍基地を利用できるようになると明言

フォーラムでスピーチするテオドロ国防相=18日午前10時ごろ、首都圏マニラ市で竹下友章撮影

 首都圏マニラ市で18日、テオドロ国防相を主賓とする比ローカルメディアによるフォーラムが開かれた。同相は訪問部隊の法的地位を定める比日円滑化協定(RAA)に関するまにら新聞の質問に「年末までの締結を目指していている」と明言。「RAAが締結されれば自衛隊が比国軍基地を利用できるようになるか」との質問には「間違いなくできるようになる」と断言した。ただし、ロレンサナ元国防相が7月に言及していた「比国内に自衛隊利用施設を建設するアイデア」については「そのような話は承知していない」と否定した。

 比日RAAに先行し締結された日豪、日英RAAでは、同条約に則って行う活動を「両国が決定する協力活動」と一般的・抽象的に規定し、共同訓練や人道支援・災害救援に限定しない。これについて同相は「比日RAAでも同じだ」と即答。「そうであるなら、両国が合意さえすれば、比の領土防衛やマラウィ包囲戦のような内乱の際にも、RAAの下に自衛隊の協力が得られる可能性はあるか」との追加質問には、「まだ交渉中であり、あらかじめそうした期待や意見を表明し、内容を先取りするのはフェアではない」として回答を避けつつも、否定はしなかった。その上で、「われわれは最良の相乗効果(シナジー)を得られるように務めている。(比日)二国間だけでなく、訪問軍地位協定を持つ他国との相互運用性も含めてだ」とし、米豪も合わせた多国間連携の強化を活動の視野に入れていることを明らかにした。

 「日本政府は殺傷性装備品移転の解禁に動いているが、比はどんな装備品を必要としているか」との質問には「個別・具体的なことは差し控えたい」としながら、「比が日本や他国と共に取り組まないといけないのは、ルールに基づく国際秩序、航行の自由の維持、そして200カイリの排他的経済水域(EEZ)の尊重。同じ群島国家である比日は同じ状況にある」と指摘。「南シナ海での比の補給任務に対する『中国の攻撃的な海上活動』に、日本はカナダや英国、複数の東南アジア諸国と共に非難声明を出している。日本は比にとって主要パートナーであると同時に、世界で志を同じくする国の一つだ」とし、海洋安全保障能力を高める装備品への需要をにじませた。

 またモデレーターを務める英字紙スターのビリャヌエバ編集委員からの関連質問に対して、比は現在、カナダ、ニュージーランド、オランダ、英国とも防衛関係の協定締結に向けた交渉をしていることを明らかにした。

 ▽中国から比へのシフトを

 テオドロ国防相は、まにら新聞に対し「これは日本国民にぜひ伝えてほしい」として、日本との経済関係強化は防衛協力と同じくらい必要であることを強調。「むかし比には、強い日系製造業があった。現在、日本企業は中国離れをしている。そういった企業にとって、比は最高の投資先だと伝えてほしい。日本の製造業は比に投資して、比に雇用を創出してほしい」と述べ、比の国力の強化に関し「同志国」日本の経済関係強化を呼びかけた。

 さらに「現在は日本人の訪比客より比人の訪日客の方が多く、日本が比人からお金を稼いでいる。日本人にはもっと比でバケーションを過ごし、ゴルフをし、比で円を使ってほしい」と訴えた。(竹下友章)

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