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6月7日のまにら新聞から

「国軍による虐殺が継続」 人権団体が非難強める

[ 731字|2023.6.7|社会 (society) ]

人権団体カラパタンは国軍による共産勢力や市民の虐殺が続いていると強く非難

 人権団体カラパタンは4日、国軍による市民や戦闘員への国際人道法違反が、現政権下でも継続していることを改めて指摘し、非難を強めた。

 カラパタンによると、ボホール州で4月14日、フィリピン共産党の統一戦線組織、民族民主戦線(NDF)のマヌエル・ティニオ顧問が国軍に身柄を拘束された。しかし、国軍報告によると、同顧問はサンミゲル市とウバイ町の中間付近をオートバイで移動中に国軍と交戦になり、銃弾を受けて死亡したという。

 また、国軍に拘束されたとみられる元学生活動家で、新人民軍(NPA)に加わったアーサー・ルセナリオさんについても、サンミゲル市から約70キロ離れたアンテケラ町で「交戦の末死亡した」と国軍が発表した。しかし、国軍から家族が引き取った遺体には拘束期間中に受けたとみられる激しい拷問の跡が残っていたという。

 さらに、西ネグロス州ではシパライ市とカワヤン町では、4月23日から集中的な掃討作戦を展開する国軍によって、住民3人が殺害されたという。5月21日に同町カリリンで、農場に向かう途中だった農民のグスティン・マポスさんが国軍兵に殺害された。国軍はマポスさんがNPAメンバーで、撃ち合いになりやむなく射殺したと主張していが、地元住民は撃ち合いなどはなかったと証言しているという。

 シパライ市カミンダガンではジョネル・ベイノさん、またミンダガンではロゲリオ・ラクトンさんが国軍に拘束され、ともに数日後に遺体が発見されたという。

 カラパタンは「国際人道法の絶え間ない違反を早急に停止」し、人権委員会に対して「国際人道法やフィリピン政府も署名する国際人権規約、国内の法律に対する重大な違反について、徹底的な調査を求める」と訴えた。(岡田薫)

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