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4月11日のまにら新聞から

越川大使「2国間関係を高みに」 勇者の日記念式典

[ 883字|2023.4.11|社会 (society) ]

勇者の日記念式典がバタアン州で行われ、越川大使が「二国間関係を一層高みに」

勇者の日記念式典でスピーチする越川大使=在フィリピン日本大使館提供

 バタアン州ピラール町にあるサマット山国立聖堂で10日午前、太平洋戦争中の81年前に旧日本軍と比米軍の間で行われた熾烈なバタアン戦と降伏した多数の比米軍人らが犠牲になったと言われる「死の行進」を追悼するための「勇者の日」記念式典が行われた。式典にはマルコス大統領や越川和彦駐比日本国大使、駐比米国大使館のヘザー・バリアバ大使代理やガルシア・バタアン州知事、閣僚や上院議員ら比政府関係者、比人退役軍人らが参加した。

 式典のスピーチで越川大使は「バタアンで戦闘の犠牲になった方々に哀悼の意を表明するとともに、今日の平和と安全に多大な貢献を行った退役軍人の方々に敬意を示す」とした上で、「われわれ日本国民は第二次世界大戦中における自国の行動を深く反省するとともに、永遠の平和を願い、法に基づく国際秩序を守ることを決意した」と強調。

 また同大使は、今年2月にマルコス大統領が日本を公式訪問した際に岸田首相との間で幅広い分野での二国間協力を強化することで再確認したことに言及し、「日本は危機の時も繁栄の時も、最も信頼できるパートナーである」とのマルコス大統領の言葉を引用し、「同大統領の信頼に応えられるよう努力していくとともに、二国間関係を一層高みに引き上げることを心から望む」と述べた。

 さらに越川大使はスピーチで「東シナ海や南シナ海における武力による現状の変更を一方的に行うことに強く反対する。我々はいかなる軍事的・経済的大国による現在の世界秩序の礎を徐々に損ない、世界を紛争や混沌、悲劇に陥れることを許すことはできない」と述べ、暗に中国による台湾政策や南シナ海などにおける海洋進出を批判した。

 一方、マルコス大統領もスピーチで「バタアン戦で兵士たちが見せた英雄的行為は現在も見ることが出来る。それは希望のある将来を迎えるすべての子どもたちの目にあり、自分たちの家族を養い、コミュニティーを支援し、国に奉仕するために努力し犠牲を払うすべてのフィリピン人の中に見ることが出来る」とし、コロナ禍で比人医療従事者や比人就労者たちが見せた貢献を称えた。(澤田公伸)

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