旅客船炎上で29人死亡 ミンダナオ地方バシラン州
ミンダナオ地方バシラン州沖で旅客貨物船が炎上し、未成年6人を含む29人が死亡
バンサモロイスラム自治地域バシラン州ハジムタムド町のバルクバルク島沖の海上で29日午後10時40分ごろ、旅客貨物船が炎上し29人が死亡、少なくとも9人が負傷した。翌30日の午前7時30分まで消火活動が続いた。炎上したのはレディ・マリー・ジョイ3で、ミンダナオ島サンボアンガ市からスルー州ホロ島に向かっていた。
比沿岸警備隊(PCG)の発表によると、火災発生時に合計240人が乗船しており、うち負傷した9人はサンボアンガ市内の病院に緊急搬送されたという。死者29人には未成年が6人含まれており、うち3人を含む11人が溺死。18人が船内で遺体となって発見された。
PCG南西ミンダナオ地域司令官のマルコ・ギネス准将は、ラジオインタビューで「現時点の調査では、船の2階デッキまたは宿泊エリアから発火した可能性が高い。原因はまだ未確定で調査は続けられている」と話した。また、定員430人のうち、乗っていたのは乗客205人と乗組員35人で、過積載ではなかったとも報告した。しかし、船舶書類に含まれていないPCG職員4人と比国軍兵士20人が乗船していたことも判明しており、全乗船人数は確認中とした。
ギネス准将は「火災発生時、船はバルクバルク島沖にいたが、船と乗客の被害を最小限に抑えるため、船長が海岸線付近に船を接地させた」とも説明した。(深田莉映)