「優しい言葉」を訴え優勝 JFM第50回日本語スピーチコンテスト開催
国際交流基金マニラ日本文化センター(JFM)は第50回目となる「にほんごフィエスタ2023」を3年ぶりに開催
国際交流基金マニラ日本文化センター(JFM)は首都圏マンダルーヨン市の商業施設シャングリラ・プラザで25日、第50回目となる「にほんごフィエスタ2023」を3年ぶりに対面式で開催し、日本語スピーチコンテストも行われた。会場は出場者やその家族、比人日本語教師らで賑わい、開会前や休憩時間には日本語も飛び交っていた。
同コンテストではルソン(22人)、ビサヤ(10人)、ミンダナオ(5人)から計37人が各地方でエントリーし、選考を通った計9人がスピーチを披露した。また本選とは別に今年から導入された比人日本語教師3人によるスピーチも実施された。
越川和彦駐フィリピン大使は開会式で「外国語習得は難しいが楽しく役に立つ。出場者の皆さんが将来、日比関係を強くするリーダーになることを願う」と、英語と日本語を混ぜたスピーチを行った。
また日本で6年間外交官を務めたという比外務省職員のリチャード・ロルダン氏はゲストとして日本語でスピーチを行い、「都道府県ごとに独特の美しい景色やお祭りがある。しかし、日本人の美しい心はどこを旅しても同じ」と47都道府県を旅行した経験を語った。
本選では出場者らが少し緊張しながらも流暢な日本語でスピーチを披露し、ボディランゲージや声の抑揚など巧みなスピーチで観客を魅了した。声優を目指しているというアルガブレ・アレハンドロさんはスピーチのなかで日本のアニメ「鬼滅の刃」のキャラクター・竈門炭治郎の声真似を披露するなど会場を沸かせた。
最優秀賞に輝いたのは比大ディリマン校のロハス・デニスさんでそのタイトルは「優しい言葉は世界を変える」。デニスさんは母親を言葉で傷つけた経験をもとに、言葉は人を傷つけることもあり、人を救う力もあるとし、「この世界を変えるために私たちにできることの一歩は親切な言葉を使うこと」と言葉の大切さを訴えた。
鈴木勉JFM所長はまにら新聞に「約10年前と比べて日本語能力試験の受験者数が10倍に増えるなど、学習者は確実に増え続けている。来年はスピーチに加え、さらなるプログラムを増やしてフィエスタとあるようにお祭りにしたい」と意気込んだ。
▽表彰台に母親
表彰式ではコンテスト入賞者らがそれぞれに喜びを素直に表した。優勝したデニスさんは表彰の際「世界一の母親」だというクリスティーさんを舞台へ迎えて、越川大使がク