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11月20日のまにら新聞から

気候変動・食料が喫緊 大統領、APEC最終日に演説

[ 592字|2022.11.20|社会 (society) ]

マルコス大統領はタイで開催されているアジア太平洋経済協力機構首脳会談で、気候変動対策および食料安全保障を強調

 マルコス大統領はタイの首都バンコクで開催されているアジア太平洋経済協力機構(APEC)首脳会談で、APECの課題として、気候変動対策および食料安全保障を強調した。

 大統領はAPEC首脳会議最終日となる19日の演説で、「ビジョンと行動計画の一環として、持続可能な議題へ確実に取り組んできた」と称賛する一方、「今後も課題解決へ向け迅速に行動を起こすべき」と述べた。また気候変動問題を「最大の実存的脅威」と例え、各国が温室効果ガス削減や気候ファイナンスの促進、高品質で効率の良い技術の移行へ貿易や投資でぜい弱な発展途上国を支援することの必要性を訴えた。

 食料安全保障面では「近代的かつ強靭な農業に向けた具体的な策を講じることが必要。食料は貿易の商品や生計の手段だけではない。生存のため、また道徳的に必要なもの。人間の安全保障の根幹を成すもの」と語りかけ、「食料自給率や食料安全保障を確保するため、農家や漁師が新技術や国内外の供給網を享受できるよう革新的解決策と資金面での支援をしていくべき」と訴えた。

 大統領はプラスチックによる海洋汚染などへの対処や持続可能なプラスチック貿易に向けた協力構築もAPECの役割の一つと述べた。フィリピンがプラスチックによる汚染を抑制するため、プラスチック製品への課税を検討しているとともに、代替材料への移行にも注力すると付け加えた。(沼田康平)

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