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7月31日のまにら新聞から

過去の失政を直視し前進せよ 大統領施政方針演説

[ 647字|2022.7.31|社会 (society)|新聞論調 ]

ボンボン・マルコス大統領は初の大統領施政方針演説で過去の大統領の失政に触れなかった

 ボンボン・マルコス大統領は初の大統領施政方針演説で過去の大統領の失政に触れなかった。これに触れずしてこの国の膿んだ傷が回復することはない。

 ただ、今はこれでいい。懸念事項を網羅しないことで、国民を経済という緊急事態に集中させることに成功したからだ。そして、経済面をカバーするという点において、大統領は正鵠(せいこく)を射ていた。よく具体性がないと批判される歴代大統領の演説と比べ、批判は少ない。汚職や人権問題に全く触れなかったことに対する進歩的団体からの批判を除いては。

 大統領が第一に持ってきたのは税務行政の改革だ。この課題は歴代政権が増税の代替策として何度も試みたが、「成功度」はまちまち。現政権が成功することを祈るが、そうでない場合に備え財源を確保することも必要だ。

 前任者のインフラ投資政策を更に拡大し、農地改革融資の返済義務を停止するなど、野心的事業を打ち出した。また、観光、福祉、教育などコロナ禍で打撃を被った分野を更に発展させるという計画も印象的だ。

 これだけで圧倒されたが、政府発案の19法案も提示。本来立法に取り組むべきなのにのんびりしている議員達に、自分たちは何をしていたのだろうと思わせことだろう。

 過去6回の演説は悪態とアドリブに満ち、世界に恥をさらした。前任者が十分ハードルを下げていたのもあるが、ともかく大統領はそれをクリアした。しかし今後、過去の政権の失政や自身の問題を直視し、修正を求めるべき時が来るだろう。(27日・インクワイアラー)

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