バシラン州の前市長ら3人死亡 アテネオ大キャンパス内で銃撃
首都圏ケソン市のアテネオ大第3ゲート付近の駐車場で銃撃事件が発生し、バシラン州ラミタン市のロシータ・フリガイ前市長を含む3人が死亡、負傷者も出ている
24日午後2時55分ごろ、首都圏ケソン市にあるアテネオ大学構内の第3ゲート付近にある駐車場で銃撃事件が発生し、ミンダナオ地方バシラン州ラミタン市のロシータ・フリガイ前市長を含む3人が死亡、卒業式に出席予定だった前市長の娘が負傷した。警察は現場から車で逃走していた単独犯とみられるブラカン州在住のラミル・エルモ容疑者をケソン市内で逮捕した。
当日は同大の法学部で卒業式が行われる予定だった。ゲストスピーカーとして最高裁判所のアレクサンダー・ゲスムンド長官とブライアン・ホサカ報道官の参加も見込まれていたが、銃撃事件で卒業式はキャンセルとなった。また、非常事態の発生でアテネオ大も立ち入り禁止となった。
銃撃されたのは、同大法学部に通っていた娘のハンナさんの卒業式に出席するために同大を訪れた、バシラン州ラミタン市のフリガイ前市長と前市長の補佐官で同行していたビクター・カピストラノさん、同大の男性警備員の3人で、いずれも死亡が確認された。また、一緒にいたハンナさんも銃撃を受けて重傷を負い、病院に搬送されたという。被害者らは第3ゲートに近い駐車場で車を降りたところで、銃撃されたと見られ、その後、車で逃走した容疑者が、通行人にけがを負わせたとの報道もある。
2013〜22年までラミタン市長を務めていたロシータ氏は、夫のロデリック・フリガイ氏を後継指名して市長職を譲る形で、自身は政界から離れたばかりだった。ロデリック氏もやはり同市長職を04〜13年まで務めており、夫婦で市長職を牛耳っていた。カピストラノさんの23日のフェイスブック投稿には、前市長らと、これから乗るフィリピン航空機を背景に「ダバオ市で会いましょう」として、笑顔で映したセルフィー写真が掲載されていた。前市長ら一行は23日には所用でダバオに向かっていたと見られる。(岡田薫)