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6月15日のまにら新聞から

「人権委人事が試金石」 ボンボン政権に対し国際NGO

[ 608字|2022.6.15|社会 (society) ]

国際人権団体「人権委人事がボンボン政権の人権に対する姿勢の試金石になる」

 国際人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」アジア局のフィル・ロバートソン副局長は14日、フィリピンの次期人権委員人事について「ボンボン・マルコス次期政権の人権に対する姿勢の試金石となる」とし、透明で包摂的な選定プロセスを要求する声明を発表した。ボンボン氏は父である故マルコス元大統領政権下で行われた人権侵害について、全面的には認めておらず、公式な謝罪を行っていない。14日の英字紙スターが報じた。

 ロバートソン副局長は「ボンボン氏は次期人権委選出に強力な力を持つことになる」と指摘。障がい者、高齢者、性的少数者など社会的弱者・少数者の代表も候補に入れるよう「次期委員選出のための任命委員会を設置し、候補者リスト作成に当たるべきだ」と提言した。

 人権委員会は憲法で定められた独立委員会だが、委員は政治任命されてきた。委員の任期は大統領より長い7年であるため、故ノイノイ・アキノ政権で任命された元委員らはドゥテルテ政権と激しく対立。予算削減など「対抗措置」も受けている。5月5日に全委員の任期が切れたが、新委員は任命されず空席となっている。

 国際NGOアムネスティインターナショナルは、76年と82年の報告書で、戒厳令が布かれた72~81年の間、7万2000人が投獄され、当局によって3万4000人が拷問を受け、3240人が殺害されたとしているが、ボンボン氏はこのデータを受け入れていない。(竹下友章)

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