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11月5日のまにら新聞から

日本人学校を視察 対面授業への試験参加で

[ 1171字|2021.11.5|社会 (society) ]

マニラ日本人学校で対面授業試験への参加を決める視察があった

タギッグ市教育局職員(中央)からの質問に答えるマニラ日本人学校関係者ら=4日午前10時ごろ、首都圏タギッグ市で岡田薫撮影

 全国の公立小学校や高校100校などで11月15日以降、試験的な対面式授業が2カ月間予定されている。首都圏タギッグ市のマニラ日本人学校(MJS)でも4日、試験参加の是非を決める視察1回目が行われた。

 MJSには学年ごとに教室へのルートを指定するテープが張り巡らされ、感染者が出た場合の仮設テント2つも用意されていた。視察団を迎えた視聴覚室には、対面授業再開への祈りを込めた保護者作成の折り鶴2千羽が保管されていた。

 校内を回る前には、タギッグ市・パテロス町の教育局や保健局メンバーらで構成された視察団11人が、MJS教職員や保健室のフィリピン人医師、日本大使館職員を交えて意見交換を行った。

 MJSの説明によると、大半の保護者が対面授業再開を望んでおり、公衆衛生面での感染対策は準備が整っている。「教職員など学校関係者の新型コロナワクチン接種率は100%」との報告も行われた。

 敷地面積が約4ヘクタールに及ぶMJSには、2020年3月末の時点で455人の児童・生徒が在籍していた。しかし、21年10月31日には146人まで減っており、うち比に留まるのは138人。対面が再開された場合、中には1クラス6人といった少人数クラスもあり、ソーシャルディスタンスを確保しやすい利点がある。

 小学部3年の担任を務める古米成美先生はこの日、英語通訳を担当。「1〜2年といった低学年の児童は、まだ学校に通ったことがない」とした上で「対面授業を経験させてあげられたら」との気持ちを語った。

 視察団が訪れた小学部1年の換気が行き届いた2クラスでは、男性教員と女性教員がそれぞれ、オンラインで比のジプニー(乗り合いバス)を紹介しながら、児童に「まえ」「うしろ」といった概念を日本語で教えるなどしていた。

 ▽好印象の声多く

 タギッグ市教育局のジョージ・ティソン指導主事によると、試験的な対面授業で認められるクラス人数は比の一般校で通常の50%、インターナショナル・スクール(INS)では25%を想定している。「一般の公立校なども数多く視察したが、マニラ日本人学校の準備は素晴らしい」と感心した様子だった。保健省の首都圏地域事務所で働くアーノルド・アリーナ医師は、試験的授業において「子どものワクチン接種の有無は必須ではないが、接種しているのであれば好ましい」。「後にオンライン会議で状況報告を行い、改善点などを学校に伝えた上で、最終の視察を来週中に予定している」と話した。

 タギッグ市のINSのうち、これまでにMJSを含む4校が参加への申請を提出。10月26日には同じ視察団が、ブリティッシュ・スクール・マニラを訪れた。11月4日にはMJSを回った後、チャイニーズ・インターナショナル・スクール・マニラなども訪れた。(岡田薫)

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