警戒レベル2へ緩和「可能性大」 遊園地、カラオケバーの解禁も 来月から首都圏で
保健次官「来月から警戒レベル2に緩和される可能性は高い」
ベルヘイレ保健次官は23日の会見で、「首都圏では新型コロナ新規感染者の減少が続いており、来月から警戒レベル2に緩和される可能性は高い」と述べた。
警戒レベル2は先月16日から首都圏で施行されている新防疫制度「警戒レベル制」(5段階)で2番目に緩やかな措置。緩和されれば現在禁止されているカラオケバーや遊園地などが再開、現在営業が認められている業種も更に稼働率が拡大するため、経済の回復に弾みが付きそうだ。24日付英字紙トリビューンが報じた。
レベル引き下げの基準については、別の会見でデンシン内務自治次官が言及。
首都圏の新規感染者数が「これまでの約1500人から千人未満に下がれば警戒レベルの引き下げができる」との目安を示した。その上で、首都圏の医療設備使用率は49%にまで減少しており、特に集中治療室(ICU)は37%にまで下がっていると発表、「警戒レベル2に下がるのは遠くない」とした。
フィリピン大などの研究グループ「OCTAリサーチ」によると、23日の首都圏の新規感染者数は1224人にまで減少している。
保健当局は新型コロナによる感染者・入院患者の減少を「ワクチン接種が進んだため」と考えている。首都圏では20日時点で接種対象人口の81%に相当する795万人が接種を完了したとされる。
最新の警戒レベル制度ガイドラインによると、警戒レベルが現行の3から2に引き下げられれば、営業禁止業種は当局から承認を受けていないカジノ、競馬、闘鶏、ロトなどだけとなり、カラオケバー、コンサートホールなど歌唱・演奏が行われる事業所、子ども向けアミューズメント施設が再開。小中高校、大学など高等教育の対面授業も限定的に再開、自治体が承認すれば接触を伴うスポーツも許可される。
また、レストラン、博物館、テーマパークを含む各業種の屋内稼働率も30%から50%に緩和。未成年者ならワクチン未接種でも店内サービスを受けられるようになるため、特に家族客需要の回復が見込まれる。
22日付英字紙マラヤ電子版によると、国家経済開発庁(NEDA)のチュア長官は20日、首都圏警戒レベルが16日からレベル4から3に引き下げられたことで増加した財・サービスの生産額は1週間で71億ペソに達するとの推計を明らかにした。また、貿易産業省はレベル3への引き下げ時、30万人の労働者が職場に復帰したと推計している。
更なる緩和が実現すれば、クリスマスシーズンに生産、需要、雇用そして所得の回復が加速しそうだ。(竹下友章)