北米からは入国規制緩和か 事前陰性証明で隔離免除など
米国など北米からの比人永住者や米国人の入国規制緩和か。大統領顧問らが議論
コンセプション大統領顧問(企業家養成担当)が呼び掛けたオンライン会合に閣僚や比大の研究チーム「ОCTAリサーチ」の代表者、駐米フィリピン大使や航空業界関係者らが参加し、米国を含む北米から比への入国者に対する隔離措置の免除などを含むコロナ防疫規制緩和に向けた議論が行われた。米国在住の比人永住者にとって帰省のネックとなっている長期の隔離措置を免除することで人の往来を増やし、航空業界の再活性化にもつなげる狙いがある。21日付英字紙マニラブレティンが報じた。
会合にはトゥガデ運輸相やロクシン外相のほか、ロムアルデス駐米フィリピン大使やОCTAのライ教授、フィリピン航空関係者らが参加した。会合でコンセプション大統領顧問は「首都圏のワクチン接種率も約8割まで上昇したほか、米国政府がすでにフィリピン人の米入国についてコロナ検査陰性証明とワクチン接種証明のみを義務付けている」と説明し、互恵的に比政府も米国籍の比人や米国人らに対して隔離措置を免除するなどの規制緩和に踏み切るべきとの考えを示した。
ОCTAのアウストリアコ氏も比国内での最近の新規感染者数、平均6千件のうち海外旅行者からの感染ケースが平均1・8件に過ぎず、ほぼ国内感染が占めているとの知見を紹介した。
また、航空関係者も北米からの航空機利用者の9割がワクチン接種者で、その入国後陽性率も比較的他の路線に比べて少ないとの調査結果を伝えた。さらにロムアルデス駐米比大使もボストンを拠点とする企業が乗客向けPCR検査を米国の空港で実施しその結果を比の空港到着時に比当局が入手できる試験的な検査方法を提案しているとして、よりスムーズな国際移動の確立に向け努力する意向を示した。(澤田公伸)