接種完了高齢者の外出公認 未成年めぐり政府と自治体で混乱
ロケ氏「首都圏の高齢者が外出するには接種完了する必要」と表明
ロケ大統領報道官は19日、首都圏に16日から敷かれている新防疫規制「警戒レベル3」の下で65歳以上の高齢者は「現在、屋外やモールなどに出かけられる」とした上で、外出には新型コロナワクチンの接種が「完了している必要がある」と明言した。条件を満たした高齢者が外出を容認されるのは約1年半ぶりとなる。
一方、同報道官は未成年については「接種が始まったばかりであり、禁止されている」とした。しかし、首都圏17市町長からなる首都圏評議会(MMC)は17日、保護者の同伴を条件に未成年の外出許可を決定しており、中央政府と自治体で齟齬(そご)が生じている。
20日の英字紙スタンダードによると、MMCの決議は「18歳未満の同じ防疫区分内や防疫区分が異なる自治体への移動は、保護者が常に同伴している限り認められる」と明記。同決議には19日から発効とある。
政府は昨年3月に国内で新型コロナウイルスが拡大して以降、抵抗力の弱い高齢者に対する外出規制に加えて、多数の感染を引き起こす「スーパースプレッダー」になるとの懸念から未成年への外出も制限していた。
13日に改定されたIATFの最新防疫規制ガイドラインでは、警戒レベル3でも遊園地、アミューズメントパーク、遊び場など子ども向け施設は引き続き営業が禁止されている。
また同ガイドラインでは、屋外運動については年齢・基礎疾患を問わず全面解禁することが明記されていたが、同じ防疫区分の地域内部・外部への移動については「警戒レベル4より厳しくなく、生活必需品・サービスの購入、承認された業種での勤務のためなら外出は許可される」とだけ規定し、具体的には「各地方自治体が年齢や基礎疾患の有無に従って決定する規制に従う」としていた。
▽再拡大を警戒
国家警察のエレアザール長官は17日、首都圏の規制が警戒レベル3に緩和されたことに伴い、マスク着用や社会的距離など防疫規則への違反者が増加し「感染者が再拡大する可能性がある」と指摘。教会、モール、公園や、ドロマイト砂で整備され16日に開放されたマニラ湾ビーチなどに週末人が密集すると予測し、「パトロールの人員を増やす」と宣言した。(竹下友章)