「最後の一人まで」目標に パラニャーケ、セブで邦人接種 次回案内は今月中にも
パラニャーケ市とセブ市で9日、邦人向け接種事業が行われた
首都圏パラニャーケ市、ビサヤ地方セブ市で9日、在比邦人を対象とした新型コロナワクチン接種事業が行われた。パラニャーケ市アヤラモール・マニラベイでは先月18日に1回目の接種を受けた邦人を対象に2回目の接種が行われ、セブ市の複合施設NOAH COMPLEXでは1回目の接種が行われた。ワクチンはどちらも米ファイザー製。
在比日本大使館はまにら新聞の取材に対し、比国内で日本承認の新型コロナワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)の接種を希望する邦人に、「最後の一人まで接種機会を提供する」ことを目標に比政府と交渉しており、外国籍者を含む国内居住者の集団免疫獲得を目標として掲げる比側も協力的な姿勢を見せているとした。また、次回の邦人接種事業は、首都圏・近隣州在住でまだ接種していない邦人を対象に今月中にも案内できるよう調整中という。
▽大使はセブ会場へ
地方で最初の邦人接種事業となったセブ市の会場には、邦人向けカウンターが設けられ、邦人約100人が接種を受けた。大使館は邦人接種事業を「最重要課題」と位置づけており、越川和彦駐比日本国大使は自ら会場を訪れ、邦人を案内する領事館職員らを激励、現場で指揮をとった。
他方、パラニャーケ市アヤラモール・マニラベイ5階には山本恭司公使をはじめ大使館職員が邦人を案内。接種は前回より更にスムーズに行われ、待ち時間含め1時間ほどで完了。接種完了が記録された同市発行のワクチン接種証明書を、邦人約500人が受け取った。
会場が開く朝10時、スービック経済特区から来たという36歳の邦人女性は「大使館メールで日本承認のワクチンが接種できると知った。接種事業実現に尽力した人たちにありがとうと言いたい」と感謝の意を表した。また、パサイ市在住の駐在員男性(37)は、「比日両国で入国がスムーズになるよう、両国で承認されているワクチンを打とうと思っていた。接種が完了したら、レストランでゆっくり食事したい」と語った。
大使館は接種希望登録情報を基に、地方を含めた今後の邦人接種事業の交渉を比政府と行うため、邦人に接種希望登録を呼びかけている。(竹下友章)