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4月27日のまにら新聞から

比の感染者100万人突破 収束見通しなお不透明

[ 1005字|2021.4.27|社会 (society) ]

26日の新規感染者は8929人。累積感染者数は100万人を突破

 保健省の発表によると、26日の新規感染者は8929人で、累積感染者数は100万6428人となり、100万人を突破した。死者は70人増の1万6853人。

 累積感染者、死者ともにアジアではインド、インドネシアに次いでフィリピンは3番目に多い。比で3月1日から始まったワクチン接種も今月17日時点で126万人の接種をやっと終え総人口の1%強に留まっている。英国型など変異種も猛威をふるっており、首都圏で防疫措置が強化されて1年以上たった今も、感染収束は依然として見通せていない。

 ただ、人口100万人当たりで見ると、比の累積感染者数は9086人で世界129番目、死者は152人で世界117番目と中位以下にとどまってはいる。

 比の累積感染者数は昨年3月31日時点では2084人だったが、その後、徐々に感染者数が増加、7月からは最初のピークとも言える感染急拡大が進み、8月10日にはそれまでで最多の1日6871人の新規感染者を記録。その後は1月まで漸減が続き、防疫措置も緩和されたが、3月から再び急拡大、1日の感染者が1万人を超える日が続いた。

 感染再拡大は、ワクチン接種の遅れと英国型、南アフリカ型など感染力の強い変異種が要因になっているとみられる。3月に首都圏と近隣4州などが再び防疫措置としては最も厳しい防疫強化地域(ECQ)に指定され、1年間の防疫努力は

振り出しに戻った。4月から首都圏などは修正防疫強化地域(ECQ)に一段階緩和され、比メディアはここ1週間ほどの感染状況について「減少傾向にある」と報じているが、昨年4月の新規感染者が1日数百人にとどまっていたのと比べると、新規感染者の高止まりは続いている。

 シンガポールに拠点を置くシンクタンク、東南アジア諸国連合(ASEAN)研究センターが今年2月、ASEAN10カ国の国民に自国政府の新型コロナ対応への評価を聞いた報告書で比は「不満」との回答が53・7%と10カ国の中で最悪だった。学校の対面授業をいまだに再開させていない比の防疫対策は「世界で最も厳しく長い」とも言われているが、国民が効果を実感できていない点に不満が集中している。

 万策尽き、頼みはワクチンだけ──。そんな状況下で普段は強気なドゥテルテ大統領は先月29日の会見で「国民の前で泣きたい思いだが、その涙も枯れ果てた」と珍しく弱気な発言もしている。(石山永一郎)

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