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12月27日のまにら新聞から

力行使する環境 終止符を 警察官の隣人殺害

[ 659字|2020.12.27|社会 (society)|新聞論調 ]

 人々の安全を守るのが任務で、国家警察のパラニャーケ犯罪研究所に勤めるジョネル・ヌエスカ2級巡査部長が20日、確執のあった隣人2人を口論の末に殺害した。

 その生々しい映像の中には、銃を発射する直前、10歳になる容疑者の娘が口論に加わり、「私の父は警察官よ!」と叫ぶ姿が映っている。その言葉に、後に殺される息子を抱きしめ、必死にかばいながら亡くなった母親のソニア・グレゴリオさんが、Kポップグループ「2NE1」の歌「アイ・ドント・ケア」のリフラインで応じた。

 そして恐ろしい光景が起こった。ヌエスカ巡査部長は銃を取り出すと、グレゴリオさんの頭を至近距離で打ち抜き、すぐさまその息子の頭も撃った。さらに地面に倒れた母子を目がけて2発を発射。衝撃的な映像は世界中に拡散された。この事件は、凶悪事件が頻発した今年一年を凄惨(せいさん)に締めくくり、警察官の採用基準や訓練のあり方に疑問を投げかけるものとなった。

 殺害後にバイクで逃走していたヌエスカ巡査部長は自首し、2人の殺人罪に問われている。警察の記録によると、ヌエスカ巡査部長は2014年に薬物検査を拒否して31日間の停職処分を受けている。19年の5月と12月には殺人事件を犯しているが、2件とも表向きは証拠不十分との理由で免責されていた。このような人間がどうして警察にいられるのか。

 大統領府は「彼はもはや法から逃れられない」と述べている。娘の目の前で2人の殺害を可能にした、過剰な力の行使を認めた環境に、今こそ終止符が求められている。(22日・スター)

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