哺乳生物の座礁増加 北イロコス州
10月6日にルソン地方北イロコス州の海岸にクジラとイルカが相次いで打ち上げられた。イロコス地域には座礁する海洋哺乳生物が数多くみられ、フィリピン国内の地域としては最多になっている。フィリピン海洋哺乳生物座礁ネットワークのアラゴネス理事長によれば、2005年以降、同地域に打ち上げられた哺乳生物の数は全国で計692を数え、中でも2015年は最悪の112頭だった。最も多いのがハシナガイルカという。
なお、16年は10月6日までの時点で全国で51頭が海岸で発見されたが、このうち4分の1以上にあたる
13頭がイロコス地域で発見されたり手当を受けたりした。
同理事長が実施した調査では、海洋生物が打ち上げられる一因として、ダイナマイト漁の急激な爆発音によってクジラなどの海洋生物が音響トラウマ(心的外傷)を負って聴覚や方向感覚を失うことがあげられている。また漁具や漁網によってけがをしたり、生物毒素や人間との接触で弱って座礁するケースもある。
05年以降の11年間に打ち上げられた海洋生物692頭のうち、65%にあたる418頭はまだ生きていて、そのうち
187頭は手当てを受けた後、海に戻されている。(11日・インクワイアラー)