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4月27日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 670字|2015.4.27|社会 (society)|ハロハロ ]

 毎年、同じ光景ではあるが、4月になると南ルソン高速道の街路樹や公園などで背の高い木が様々な黄色い花を咲かせてくれる。その一つは「インドカリン」。この国の国樹で「ナラ」(日本のナラとは別)と呼ばれ、芳香のある小さな花をぎっしり咲かせ、カリン材の原木として活用される。原産地はインド、マレーシア、フィリピンだという。また、輝くような黄色い花を房状に垂らせている大木がある。「ゴールデンシャワー」で、マメ科のアカシア族に分類されている。

 公園や広場にゴールデンシャワーが背を伸ばしているのはマニラ、マカティ両市や他の市街地でも同様かと思うが、時期が来ると、どの木の枝にも五弁花が垂れ下がる。高さが6〜15メートルの木がほとんど葉っぱを落とし、どの枝も黄色い花がフジのようにいっぱいになる様は確かにシャワー(にわか雨)のようで、この木を「ゴールデンシャワー」と名付けたのは見事だと感心する。原産地はインドだそうだが、タイでは「ラチャブルック」(王様の木)と呼ばれ国花になっているそうだ。

 南ルソンのラグナ州カランバの小高い丘にある拙宅から見下ろすと、一望するのはラグナ、バタンガス両州にまたがって広がる山々、森林と草原。見ようによってはやや地味に思えたが、拙宅の前に植えたゴールデンシャワーが、5弁の花をつけた70近い花房を開くと辺りの景観もかわったように思えた。早朝、2階のベランダから眺めると、目線と同じ10メートルほどの高さで朝日を受けたこの木の花はどれも陽の光をシャワーのように浴び、光っているようにさえ見える。(濱)

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