前隊長は身代わり テロリスト追跡作戦
マギンダナオ州ママサパノ町で行われたテロリスト追跡作戦の責任を取って解任された国家警察特殊部隊のナペニャス前隊長が哀れで仕方がない。アキノ大統領に責任を転嫁され、身代わりにされたのだ。
大統領は宗教関係者との会合で、前隊長が「国軍と連携せよ」との自身の指示に従わなかったと話した。しかし、大統領と懇意なプリシマ前国警長官の役割については言及しなかった。
前隊長に対して、ロハス内務自治長官とエスピナ国警長官代行には作戦を内密にするよう指示した張本人は、当時停職中だったプリシマ前長官だ。前長官は国軍参謀総長との調整は「任せておけ」とまで言ったのだ。さらに前長官はナペニャス前隊長に対して「大統領からの直々の命令であるためロハス長官とエスピナ長官代行を無視することは問題ない」と話したいう。
アキノ大統領はこういった前長官の動きを問題視していないようだ。大統領は、長官代行ではなく、当時停職中であった前長官と共に作戦を進めた理由を説明していない。
プリシマ前長官がテロリスト追跡作戦で重要な役割を担っていたことは明らかであるにも関わらず、アキノ大統領は親睦の深い前長官の責任を追及していない。
肉親を失う体験は堪え難いものだ。しかし、警察官や国軍兵士は職務に当たる際、命が危険にさらされることもある。命を顧みず職務を遂行するからこそ、称賛されるのだ。
ナペニャス前隊長は大惨事を起こした責任を取った。大統領も他人に罪をかぶせるのではなく、最高司令官としての責任に向き合うべきだ。最高司令官が敵前逃亡してはならない。潔く責任を取らねばなるまい。(11日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)