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2月16日のまにら新聞から

公平な裁判を 墓穴を掘ったつぶやき

[ 728字|2015.2.16|社会 (society)|新聞論調 ]

 国家警察特殊部隊が実施した「テロリスト追跡作戦」で、追跡対象の一人だったイスラム系テロ組織、ジェマ・イスラミヤ(JI)の幹部が死亡した。この事件についてのマルコス上院議員の発言は、説得力と根拠に満ちていた。

 たとえば短文投稿サイトのツイッターではこんな発言をした。

「バンサモロ基本法案によれば、警官を殺害したモロ・イスラム解放戦線(MILF)の構成員たちが将来的には国家警察に所属することになる」

 基本法案には確かに警察組織を保有すると明記されており、警察組織に再編入された構成員が将来の警官になる可能性はある。それゆえ警官44人を殺害した構成員自身が警官になるという彼の仮説には一理ある。

 同議員は別の日に「大統領の立場を考えた時、私の父は国軍の全作戦を掌握していた」とつぶやいた。これは、追跡作戦を指示したにもかかわらず、指揮系統が乱れたアキノ大統領への批判とも受け取れる。しかしこのつぶやきで、同議員は墓穴を掘ることになった。マルコス家の一員としては初めて、独裁者がすべてを統制していたと認めたことになるからだ。 

 この発言がなぜ重要なのか。繰り返される公判、インタビューの中でマルコス家の誰一人としてその事実を認めたことはなかった。米ニューヨークで名画が取引された不正疑惑では、イメルダ元大統領夫人の弁護団は「彼女は夫が行ったことを把握していない」と証言したほどだ。

 だから、マルコス議員が「独裁者は軍の全作戦を掌握していた」と認めた発言にはこれまでにないほどの価値がある。マルコス政権下で国軍の人権侵害を受けた多くの犠牲者の訴訟は今、公平に裁かれる可能性があるかもしれない。 (9日・インクワイアラー)

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