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8月4日のまにら新聞から

失業率改善策なし 施政方針演説

[ 689字|2014.8.4|社会 (society)|新聞論調 ]

 国内の深刻な失業問題をどのように解決するのか。私を含む多くの国民がアキノ大統領の施政方針演説で聞きたかったことだ。しかし、雇用創出に関して詳しい言及はなかった。失業率は我が国が抱える最も重大な課題で、まん延する貧困の根源でもある。改善されれば他の諸問題も解決できるだろう。

 フィリピンの失業率は7%で世界でも最悪の水準だ。毎年、百万人単位で労働人口は増え続け、将来仕事を必要とする赤ちゃんも誕生し続けている。

 若者に教育を勧めるが、学校を卒業しても仕事はない。その結果、比人は海外での就労を強いられている。家族を母国に残し、雇用主に虐待されたり、中東など政情の不安定な地域では事件事故に巻き込まれる恐れがあるにもかかわらずだ。

 アキノ政権は経済成長を誇らしげに吹聴する。雇用を創出せず、貧困も解決していない成長のどこが良いのか?一部の富裕層が恩恵を受けているだけではないか。

 雇用創出は、社会に大きな波及効果をもたらす。貧困改善や経済成長のさらなる促進はもちろん、都市部の違法占拠住民地区、犯罪、社会福祉、教育、インフレなど、あらゆる問題が改善されるだろう。貧困対策に費やす政府予算の節約にもつながる。

 政府から最もなおざりにされているのは農民だ。重労働・低賃金の農業に嫌気がさし、若者は田畑から次々と去っている。都市に仕事を探しに来るが、結局は違法占拠居住区の住民になってしまう。地方にこそ雇用創出が必要だ。

 出稼ぎに来た人たちも職があれば故郷に帰る。職があればごみ拾いで生計を立てる必要はないのだ。(7月30日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)

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