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8月4日のまにら新聞から

アブサヤフ掃討を スルー州32人殺傷

[ 697字|2014.8.4|社会 (society)|新聞論調 ]

 ミンダナオ地方のイスラム教徒は断食月「ラマダン」の終わりを祝福していた。ところが、スルー州での祝宴は悲劇によって台なしにされてしまった。断食明けを祝う祝宴「イド・アル・フィトル」が行われるはずだった同州タリパオ町に、40人余りの武装集団が襲撃をかけて21人を殺害したのだ。被害者の大半は女性と子供で、生後9カ月の乳児も含まれていた。

 武装集団は同州内で活発に破壊活動をしているイスラム過激派アブサヤフとみられる。アブサヤフ掃討作戦に協力している民間人への報復攻撃との情報もある。

 非情な無法者集団は近年、幹部の大半を失ったにもかからず、いまだに市民に対する強奪や国軍への攻撃を続けている。身代金目的の誘拐も繰り返しており、欧州出身の外国人2人はまだ拘束されている。

 アブサヤフの犯罪行為が阻害要因となり、スルー州では公教育、経済活動、信教の自由が崩壊している。その結果、全国で最も貧困で開発が進んでいない州になってしまっている。アブサヤフは東南アジアのイスラム系テロ組織、ジェマ・イスラミヤ(JI)と爆弾製造などの凶悪犯罪を行うため協力関係にあるとされ、バシラン州でのテロ行為も依然として続いている。

 軍・警察が市民から協力を得られれば、アブサヤフを掃討することは不可能なことではない。地方自治体は、武装集団への協力を拒否し、市民の協力を得るためには重大な役割を担っている。

 比政府は住民をまとめ、暴力行為を終わらせるためにも自治体を全面的に支えなければならない。タリパオ町で起こった非情な襲撃を契機に、政府はアブサヤフによる暴力事件を撲滅すべきだ。(7月30日・スター)

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