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3月3日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 695字|2014.3.3|社会 (society)|ハロハロ ]

 生まれ育ったルソン島なのに、まだ地図でしか見たことのない地方が多い││。こんな発想から、友人の元フィリピン大教授ベンが学生時代の同級生だった果樹園経営者ルイらに呼び掛け、まずルソン島最南端のバタンガス州に行ったのが一昨年5月。「ヒロも一緒に」と誘われ、筆者も仲間入りし、2度目は2月21日、ラグナ、バタンガス両州に隣接するケソン州に出掛けた。通り過ぎた町の姿よりも、標高2千メートルを超えるバナハオ山沿いのドライブで眺めた自然の姿に心洗われる思いがした。

 私たちが乗った車は、ラグナ州マハイハイから人里を通りすぎて山に入った。驚いたのは片側一車線ながら道は見事に舗装されている。バスはもちろん、ジプニー、トライシクルもほとんど姿を消し、時折行き交うのは人や荷物を乗せた馬とカラバオだけ。車窓から眺める景色で目立つのは、花が満開のマンゴー、背を伸ばすココナツ、そして明るい緑色のバナナが、何カ所も隣り合わせに茂っている。本当かどうか、「あれは旅人をいやすため」との話があると聞いたが……。

 ケソン州にある宗教集団は、バナハオ山をキリストが再臨する聖地と考え、今も巡礼者は山を巡り、キリスト受難の苦しみを体験しているという。今回のドライブで、最初に車を止めたのはケソン州ルクバン町。町でまず目にとまったのは背の高い石造りのルクバン教会。壁に「最初の建造は1595年」とある。年表によると、「レガスピがマニラに到着したのは1571年5月」。スペインの植民地支配が始まって20年後、こんな山の中の町に教会が建てられたのを知って驚くと同時に、さまざまな思いが頭をよぎった。(濱)

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