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2月10日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 575字|2014.2.10|社会 (society)|ハロハロ ]

 明日で満78歳となる。数え年でいえばプレ・サンジュ(傘寿)である。物忘れはひどくなるばかり。先日、カラオケに行ったらヘルプについたフィリピーナが眼が大きく魅力的。米国のひいきの女優さんに似ている、と言ったものの名前が思い出せない。「ジュリエットからの手紙」に出ていたなどと言ってみるが、映画好きの女性たちの反応は芳しくない。「クロエ」「マンマ・ミーア!」など出演作を挙げたがもう一つ。戻って風呂に入ったら、突然思い出した││アマンダ・セイフライド。やれやれ。

 同世代3人ぐらいで酒を飲みながら話をすると、酔いも加わってますます思い出せなくなる。しかし、同じ会社の後輩の話だったりすると、イメージを共有できるので、無理に思い出そうともしない。「あいつだよ」と特徴を話すと「ウン、あいつね」「あいつ、程度が悪くてさ」などと会話が進行する。「名前は何だっけ」とは言ってみるものの、思い出さなくても「あいつ」で十分、通じるのだ。思い出す努力さえ放棄している。

 思い出せなくて何時間も無駄な努力をして結局、日記では空白にしておくことも多い。花の名や料理、映画のタイトル、競争馬名(これが一番多いか)だったりする。あとで確認したら空白を赤ペンで埋める。赤い字が増えるのは恥ずかしい限りだ。老いは、記憶蘇生力劣化との闘いともいえそうだ。(紀)

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