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11月25日のまにら新聞から

民主主義に新たな希望

[ 707字|2013.11.25|社会 (society)|新聞論調 ]

裁量予算の違憲性認定

 最高裁が正義の決断を下したことを神に感謝する。優先開発補助金(通称ポークバレル)の違憲性を全会一致で認めたことで、わが国の民主主義に、新たな希望と力が注入された。

 ラモス、エストラダ、アロヨ各政権から現政権までの21年間で、国民総生産(GNP)が伸び続けてきたにもかかわらず、国民の約4割はいまだ、十分な食べ物も家もない貧困生活を強いられている。統計的には貧困層に含まれないとされる約2割の国民と、その子供たちも、衣服、食べ物、教育が十分でなく、豊かな生活など望むべくもない。職がなく、病気になっても医療機関で診療を受けることすらできない。

 こうした貧困の根源は、この国の社会経済体制と汚職を許す利益誘導型の政治風土だ。汚職は選挙期間中だけでなく、政府関係者の人事などを含め国会から地方自治体まではびこっている。上下両院議員に巨額の冨をもたらす裁量予算が汚職の温床として、その姿をあらわにした。ジャネット・ナポレス被告が主犯格とされる補助金流用事件は、本来、貧しい病人や子供たちの食べ物や薬代として使われるべき公金が、共謀した政府関係者に渡ってきたことを立証した。

 最高裁はポークバレルを、わが国にまん延する汚職の根源と判断した。ポークバレルの廃止は、利益誘導型の政治風土の変革にもつながる大きな前進だ。

 アキノ大統領は汚職根絶を訴えた演説とは裏腹に、腐敗したポークバレル制度には具体的な行動を起こさず、国民を裏切ってきた。しかし最高裁は、尊厳ある道徳基準を備えていることを自ら示した。三権分立が真に機能し、わが国が「まっとうな道」を歩んでいけるという希望を国民に与えたのだ。(21日・タイムズ)

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