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11月25日のまにら新聞から

暮らし再建が不可欠

[ 689字|2013.11.25|社会 (society)|新聞論調 ]

台風ヨランダ被災者

 台風ヨランダ(30号)襲来で壊滅的な被害を受けた多くの被災者は、新たな困難に直面している。今後、長期にわたり予想される失業率の悪化だ。レイテ、サマール両島の広範囲に被害をもたらした怪物台風は、インフラや家屋を破壊しただけでなく、住民の生活の糧であったココナツを根こそぎなぎ倒した。

 被災地域では、ココナツ栽培と漁業が、住民の生活を支える主要な産業だった。多くの漁師が、数千にも及ぶ犠牲者を飲み込んだ海に漁に出るのを尻込みしている。台風は漁業にも打撃を与えた。

 国連食糧農業機関(FAO)は、ココナツ農場の再建に向け、種子の提供を呼び掛けている。しかし、樹木が成長し、収穫が望めるようになるには、かなりの時間がかかる。そのため被災した農家の多くが職を失うだろう。昨年、ミンダナオ地方を横断した台風パブロの被災地、コンポステラバレー州、ダバオ各州でも、バナナ農園が被災し、同様の問題が起きた。

 世界各国から被災地に送られた膨大な援助は、悲劇の中にある一つの光明だ。早期復興のきっかけにはなり得る。政府が関係機関と協力して、被災農家の生活再建を支援できる。とりわけ復興の遅れが予想される地域の支援は重要だ。

 科学者たちは、台風被災地の一部地域を居住制限区域に指定するべきか否かを検討している。将来的には、これらの地域で家をなくした被災者の移住支援も必要となるだろう。

 台風ヨランダの被災者は支援を歓迎している。しかし、他人の優しさに頼った生活をいつまでも続けられるわけではない。被災者の生活基盤を再建し、自立した暮らしを取り戻すことが不可欠だ。(24日・スター)

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