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6月24日のまにら新聞から

都合の良い身代わり

[ 707字|2013.6.24|社会 (society)|新聞論調 ]

違法占拠と洪水

 首都圏で洪水が起きると、違法占拠住民に非難が集中する。生活ゴミを四方八方に投棄し、水路を詰まらせるからだという。アルメンドラス内閣長官も先日の関係閣僚会議で、同様の見解を示した。公共事業道路長官と首都圏開発局長の洪水被害に対する責任を不不問に付すためだった。

 違法占拠住民に責任はある。同様に、ほかの国民にも責任はあるのだ。関係閣僚会議に同席すべきだったのは、首都圏の16市町長だろう。彼らは洪水被害の理由を説明すべきだ。自治体が洪水対策の予算を、目的通りに使えば、何も問題も起こらないからだ。ゴミ収集車の少なさから判断すると、予算のせいぜい半分しか使っていないのは、明白だ。

 ゴミ収集車が回って来ないから、違法占拠住民は所かまわず、ゴミを捨てる。ある自治体には、年間10億ペソの予算割り当てがある。予算を盗用しないで、半分でも目的に使えば、ゴミ収集車は毎日朝夕、市内の通りを巡回できるだろう。

 ゴミ収集の請負業者は、ゴミ収集車を欠かさず住宅街に定期巡回させる。悪臭が漂いだすと、住民から苦情が殺到するからだ。違法占拠住民の居住区はそうはいかない。2週間に1度でも、ゴミ収集車を見かけることができたら幸運というものだ。しかし、不満は言わないし、言っても、誰も聞く耳を持たない。

 ゴミ収集は決して、難しいことではない。違法占拠住民の居住区に、ゴミ箱を設置し、2日ごとにゴミ収集車を巡回させたら、一体どのくらい予算がかかるのだろうか。たいした額ではあるまい。その分、市長や副市長らの賄賂が減るだけだろう。違法占拠住民は、無能で汚職にまみれた役所にとって、都合の良い身代わりなのだ。(20日・タイムズ)

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