客観性強化につながる
審査項目削除
下院選政党リスト制の立候補資格審査項目を一部削除した最高裁判決に、懸念が広がった。貧しくて持たざる者への議席が、権力者に開かれたと言う。これは間違っている。
判決は、立候補した政党・団体を「社会から過小評価されているかどうか」という、奇妙な基準で審査する中央選管の力を抑制すべき、とした。判決は審査に、より大きな客観性をもたらすだろう。
政党リスト制は、最初から問題を抱えていた。アロヨ前大統領の長男フアンミゲル下院議員は、警備員やトライシクル運転手、農家、小規模事業の代表として立候補して当選した。なんと不条理なことか。これで憲政の手本になるのか。
本当の問題は、立候補する政党・団体が「社会的に非主流で過小評価されている部門の代表」になるよう求められたことだ。基準が混乱し、多種多様な団体が立候補を試みた。収監者の無実を訴える団体、地方の電力消費者団体、住宅所有者協会、薬のカウンセラー、退役軍人、真のマルコス支持者協会など。
中央選管は図らずも、この混乱に加担してしまった。一つ目は「社会的に非主流で過小評価されている部門の代表」として、環境保護団体を失格にした。二つ目は、前回選挙で議席を獲得後、公約を履行していない政党を失格にした。中央選管に、有権者の選ぶ権利を阻害する権利はない。三つ目に、運送会社と運転手など相反する利益を代表する団体を失格にした。有権者に選択の余地を残すべきだった。
政党リスト制はもともと、過小評価されている部門を対象にしていない。小政党に、全国区で議席を与えるためにできたのだ。最高裁の判決はまだ、小政党が躍進する機会を残している。(12日・インクワイアラー)