「日刊まにら新聞」ウェブ

1992年にマニラで創刊した「日刊まにら新聞」のウェブサイトです。フィリピン発のニュースを毎日配信しています。

マニラ
30度-24度
両替レート
1万円=P3,820
$100=P5885

4月15日のまにら新聞から

断固とした対応を

[ 716字|2013.4.15|社会 (society)|新聞論調 ]

中国漁船座礁

 中国漁船はスルー海トゥバタハ岩礁で何をしていたのだろうか。カランダン大統領府報道班長は「商業目的でそこにいた。同様に座礁した米海軍の掃海艦とは比較できない」と答弁した。本当に漁船員は漁師だろうか。 

 在フィリピン中国大使館の対応は素早かった。すぐに総領事を現地に派遣して、漁船員全員の釈放を求めた。

 中国人は、西フィリピン海(南シナ海)で海底油田を探査していたのだろうか。領海侵犯にからむ海図でも作っていたのだろうか。カランダン報道班長は「商業目的」と言うが、そこは世界自然遺産なのだ。

 我が国の領海で密漁し、サンゴを取っていたならば、掃海艦より罪が重い。米国人は誤りを認めて掃海艦を解体し、140万ドルの支払いに合意した。

 これに対し、中国人は逃亡を図ろうとした。

 岩礁の自然公園管理事務所によると、現地に来た中国大使館員は「水に流してほしい」と言った。中国側からは、2400ドルの賄賂の申し出があったという。大使館員か漁船員からの申し出か、同事務所は明らかにしていない。

 アキノ大統領は、法を全面的に適用して、領海侵犯者を訴追するよう望んでいる。有罪となれば、西フィリピン海の領有権問題で国際仲裁裁判所も、我が国を支持するだろう。

 西フィリピン海スカーボロ礁で昨年4月、サンゴやウミガメ、大量の魚を積んだ中国漁船を、沿岸警備隊が臨検した。この時は、中国の監視船に、漁船への乗り込みを阻まれてしまった。

 法と領海を侵犯した者を、過去のように罪を軽くし、強制送還してはならない。そんな対応をしたら、領有権問題で中国を強気にさせるだけだ。(12日・スタンダードトゥデー、アレハンドロ・デルロサリオ氏)

新聞論調