ハロハロ
好調な経済を基に発展を続けるジャカルタが年明け早々、洪水に見舞われて「水の都」と化し、都市機能がマヒする深刻な事態に陥った。都会を襲う洪水では、進出日系企業の多くが長期間にわたり「水攻め」被害を受けたタイの大洪水(2011年後半)が記憶に新しい。被害規模はタイほどではなかったが、高層ビル群など近代化の進むジャカルタが治水対策などインフラの未整備という弱点を露呈した形だ。
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東京が銀世界に一変した1月14日の大雪から3日後、パソコンを立ち上げ、インドネシア民放TV局のニュース番組サイトを開いた瞬間、目を疑った。一面「茶色」に覆われ、車の流れの消えたジャカルタ中心部が映し出されたからだ。茶色の泥水の中から女性リポーターが中心部近くを流れる川の氾らん、濁流に襲われた高層ビル地下駐車場の惨状などを声高に伝えていた。
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中心部の「茶色の世界」は2日後に消えた。だが、地盤が低い北部の住宅地区では高さ1〜3メートルもの浸水が1週間以上も続き、住民からは首都特別州政府の怠慢行政に怒りの声が飛んだ。その中、ジャカルタの知人から「家への被害を免れました」とのメールが届き、ひと安心。知人は最後に「こうなったら、ジョコウィ(州知事の愛称)の政治手腕が頼り」と、政界に新風を吹き込む同知事に大きな期待感を込めてメールを締めくくった。(道)