ハロハロ
操作が簡単な携帯電話「らくらくホン」をスマートフォン仕様に機種変更した。データ送受信が使い放題で、普通機種のスマホ基本料金より3千円近く格安という通信会社の売り込みに乗せられた。画面はアプリや絵文字が大きく、誤作動防止のため、枠ボタンを強くプレスしないと次に進めない。ターゲットはスマホ初心者や高齢者相手のようだが、有料、無料の危険領域に入れないよう新アプリのダウンロードができない。
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機種変更当初、振り込み詐欺まがいの迷惑メールに悩まされた。課金を気にしない定額制ということで、安易にインターネットに接続していたせいもあるが、早朝から夜半まで、ほぼ1時間おきにメールが届いた。高額賞金が当たったので「口座番号を連絡しろ」などと執ように要求していくる。締め切り日時を指定し、「早く、早く」と仮想当選者をせきたてる。操作方法を聞いて受信拒否設定を変更すると、ぴたりと止まった。
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スマホに変更して利便性は抜群だが、一歩押し間違えると、大きな落とし穴にはまると実感した。機種変更当初、アプリを追加できないスマホは「スマホじゃない」とばかにしていたが、最近とんでもない不正事件が明るみに出て驚かされた。無料アプリに罠(わな)が仕掛けられ、利用者の計1千万件分の個人情報が抜き取られたという。巧妙な手口を知って、アプリの追加できない機種変更が正解と納得。(富)