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7月30日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 669字|2012.7.30|社会 (society)|ハロハロ ]

 日比両国の庶民生活を比べてみると、異なる点が少なくない。一月足らず前、日本へ戻って、「そうだった」と、この国と違う日本のやり方に気付いたことがいくつかある。その一つは当然のことだが、デパートをはじめ、どの店も「お出入り自由」。だが、この国は違う。警備員が入り口で男性客の腰に手を当ててけん銃を持っていないか調べる店もある。買い物客を容疑者扱いするとは無礼千万だが、けん銃の有無を調べる検問に文句をつける客をまだ見たことがない。

 この国のけん銃と言えば、ルバング島残留元日本兵救出調査団に同行、初めて来比した1959年のことを思い出す。マニラに滞在中、街に出ると、けん銃を腰にした警官が病院、レストランなどの入り口を見張っていた。実はガードマンだったのだが、日本でけん銃の携行が許されるのは警官、自衛官に限られているので、警官に違いないと思った。「けん銃を持った警官を街にこれだけ配備すると、警察の予算は膨大なものになるのでは……」と気遣ったのを覚えている。

 フィリピンでけん銃の所持は許可制で、市民でも持てる。その実体をインターネットで検索してみると、民間に出回っているけん銃などの小火器の総数は推定390万丁。うち約32万5千丁は登録した所有者のもので、無届けの不法所持数は推定16万丁とあった。何の説明もないが、民間に出回っているという300万を超える推定数との差が大きすぎる。以前、拙宅の運転者だったW君が「8千ペソ出せば、明日にでも護身用のピストルを友人から手に入れてくる」と話し掛けたのを思い出した。(濱)

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