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3月19日のまにら新聞から

あふれるネット情報

[ 722字|2012.3.19|社会 (society)|新聞論調 ]

ブロガーとの接触

 アキノ政権のコロナ最高裁長官批判は、インターネットやメール、あるいはブログへの書き込みに象徴される。情報は世界を駆け巡り、長官に対する集中砲火は、現政権が掌握しているかのようである。しかし今度はコロナ長官が反撃する番だ。ブロガーたちとの会合は、現政権側が言うようなわいろを支払うためではない。 

 近年、多くの比国民はネットを利用し、ブロガーたちが書き込んだ情報であふれている。残念ながら、大半の書き込みは与えられた情報をうのみし、疑いもなく流してしまっている。一方で、大統領府の操作に踊らされた主要メディアの報道に疑義を呈し、長官に対する誹謗(ひぼう)中傷を緩和する役割も果たす。

 ブロガーとの会合はコロナ長官にとって、大統領府が作り出した疑惑の巣を取り除く機会となったのだ。 

 コロナ長官に対する疑惑を流すため、ネットは現政権に利用された。その手法は陳腐で、それ故、作り話が毎日のようにメールボックスに蓄積された。弾劾成立に死に物狂いの現政権の姿勢を示しているかのようである。大量メールの一部は以下の通り。

 「コロナ長官はアキノ大統領を複数の点で非難している。①大統領は使者を送って長官の辞任を迫った②大統領が弾劾を迫る理由は、ルイシタ農園分配の裁判で政府側に不利な判決を出したため③アキノ大統領は三権を手中に収めようとしている」

 これ以外にもコロナ長官の人格を汚すメールは毎日10〜20回流された。仮に送信源を突き止めても翌日にはまた別の送信源から発信されるだろう。 

 ネットによる中傷と戦う方法は、ネットを利用する国民と話し合うしかない。それは長官自身が問題に向き合っている証拠でもある。(16日・トリビューン)

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