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2月13日のまにら新聞から

モラルの問題だ

[ 719字|2012.2.13|社会 (society)|新聞論調 ]

最高裁長官弾劾裁判

 私の理解では、護憲国家の危機とは国内の基本法が国民の生活を規律できなくなる状態を意味する。革命や戦争、クーデターなどの政治的事件が起きて既存の憲法が機能しなくなる状態がそうである。今、進行中の最高裁長官に対する弾劾裁判で最高裁が長官のドル建て口座の情報開示を一時差し止めたことは決して既存憲法の危機を示しているとは思わない。

 証人となった民間銀行の頭取が申し立てた弾劾裁判所に対するドル建て口座の情報開示命令への一時差し止めに加え、最高裁には長官自らも弾劾裁判自体の一時差し止めが申し立てられている。上院は最高裁との正面衝突を避けるためにドル建て口座に関する審理は一時中止した。

 しかし、もし最高裁が弾劾裁判自体を差し止める命令を出した場合、上院がそれに従わない可能性がある。上院が選挙という国民の信託を経て選ばれた民主主義的な機関なのに対して、最高裁は選挙を経ずに構成された機関で、その存在意義を問われる可能性がある。

 コロナ長官のドル建て口座の解明は、彼が意図的に資産を隠そうとしたか否かを判断するために重要だ。その金額など詳細な情報はあまり重要ではなく、大切な事は、司法の長たる者が自分の資産を隠すために全力を尽くしていることが証明できれば十分なのである。これはモラルの問題であり、正義をつかさどる者は疑惑を抱えるべきではないのだ。第三者から預金の金額を開示するように言われる前に自らが預金の存在とその資産の由来、さらに資産報告書との食い違いを説明するべきなのである。上院の務めは、この人物が最高裁長官の職に留まらせることが国の利益になるのか否かを判断することなのだ。(12日・インクワイアラー、ランディ・ダビッド氏)

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