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1月30日のまにら新聞から

無能な検察側報道官

[ 696字|2012.1.30|社会 (society)|新聞論調 ]

最高裁長官弾劾裁判

 弁護士資格を持つ検察側の報道官らは国民に正確に伝えるべきであって、誤情報の広報や世論操作をすべきでない。記者会見のたびに誤った情報を振りまき、審理の遅れについて弁護側を糾弾、コロナ最高裁長官の有罪を国民に信じさせようと躍起だ。その姿は非常にばかげており、無能さを露呈していることに報道官らは気付いていない。

 27日、報道官の1人は検察側がすでに証拠を提出したのに弁護側はひとつの証拠も提出していないと発言した。はぁ?現段階は検察側が起訴事実を立証する順番であり、検察側が用意した「証拠」はヘナレス国税局長の証言のみ。無論この証言だけでは長官の有罪は到底立証できない。

 鑑定人と証人の違いについてはサンチャゴ上院議員が法廷で講議したはず。同議員は国税局長の役割は提出書類の認証のみとも指摘した。

 一方検察側は、弁護側の同局長に対する尋問が誤解を招くと異義を申し立て続けた。エンリレ裁判長が「尋問のどの部分が誤解を招くのか」と問うても、検察側は具体的に答えることすらできなかった。

 弁護側は自身の弁護の順番の前に証拠をすべて提出しなければならないのか?検察側証人たった1人の証言で長官の有罪が立証されたか?これが法学大学院で教わったことか?

 審理の遅れは検察側の準備不足と不慣れ、ばかげた示威運動が原因だ。陪審員による長い議論も一因。制限時間1人2分ルールはどこへ行ったのか。大統領の取り巻き上院議員による検察擁護も必要ない。弁護側による多数の申し立てが原因との訴えも間違い。申し立ては口頭ではなく書面で法廷に提出されるからだ。(29日・トリビューン、ニネス・オリバレス氏)

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