違法入国阻止徹底を
増える外国人犯罪者
先日、中国人観光客カップルの「痴話げんか」の様子がテレビで報道された。ロハス通りをジョギング中の女性の横に車が付けたかと思うと、中から男性が出てきて2人で口論に。その後男性は車に戻り、立ち去る女性に車をぶつけた上、降車して女性を2回刃物で刺した。男性は再び乗車し女性をひいて逃げた。
昨年、入国管理局は台湾から逃亡してくる犯罪者の増加を警告した。最近では、大統領府麻薬取締局が高級住宅地アヤラ・アラバンで麻薬製造場所を摘発し中国人4人を逮捕した。後日、同じ住宅地で中国人が運営する別の麻薬製造所も摘発され、さらに本土、台湾、香港出身の容疑者も逮捕された。中国人は比入国前に審査を受けていないのか。
中国の犯罪者や違法移民の比への自由な入国は今に始まったことではない。強制送還される外国人の8割が中国人。違法入国ではまず玄関口を守る入国管理局が非難されるべきだ。しかし、現政権が「正しい道」に向け改革を標榜する一方で、外国人の違法入国対策は机上の空論のように見える。
最も効果的な対策は、入国前の査証審査で入国を阻止することだ。しかし、バガッチン下院議員=首都圏マニラ市=は昨年、観光客増に向け中国、インドの観光客の査証なし入国を提案した。観光客増はいいが、適切な審査なしに全員に門戸を開くべきではない。比人の中国本土への査証なし入国は認められていないのに、なぜ中国人への待遇改善に躍起になるのか。
中国人は歴史的に最も早く比を訪れ移民してきた。その起業精神や商才は比に多大な貢献をした。中国系比人も、中国人犯罪者の比への違法入国を阻止することで築かれる建設的な比中関係に賛成するはずだ。(29日・インクワイアラー、リナ・ダビッド氏)