ハロハロ
日比夫婦の間に生まれた嫡出子の国籍確認訴訟が結審した。第1陣の口頭弁論開始から1年10カ月、原告27人にとっては長い道のりだった。第1、2陣訴訟が併合されて合計11回の口頭弁論が開かれたが、審理の過程を見ようと毎回、東京地裁に出掛けた。第1、2陣訴訟とも提訴後、1回目の口頭弁論では原告の父子が来日し、法廷で意見陳述したが、2回目以降は双方の準備書面と答弁書の交換で終始した。
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行政訴訟は口頭弁論で書面審理に入ると、傍聴人には進行具合が全く見えない。双方の主張、反論は毎回、事前に書面で提出され、それを基に裁判長が争点を絞っていく。裁判長が法律上の論点と事実関係について質問し、40分近く審理した日もあったが、通常は10分程度で閉廷する。審理の中身が分からないため、閉廷後に原告代理人に途中経過の説明を受けることが多かった。
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最終弁論の法廷には原告の父親が比から駆けつけた。意見陳述しようと法廷に乗り込んだが、裁判長が早々と終結を宣言し、希望はかなえられなかった。閉廷した後、父親は「どうして最後の法廷で原告側の意見陳述をさせないのか」と怒った。傍聴席から裁判長に大声で直訴したいと公言していたが、さすがにあきらめた。父親の気持ちは痛いほど伝わってきた。来春、原告一家に勝訴の朗報が届くことを祈りたい。(富)