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12月12日のまにら新聞から

麻薬対策に国際協力を

[ 717字|2011.12.12|社会 (society)|新聞論調 ]

中国での比人死刑

 中国で麻薬密輸罪で死刑判決を受け、刑が執行された比人は4人になった。なお70人が同罪に問われ、死刑へ列をなしている。これは、中国への渡航を準備しているすべての比人、特に見知らぬ人物宛ての荷物を届けようとしている比人へ大きく示さなければならない警告だ。

 8日に刑が執行された男性は、2008年9月、空港で約1・5キロのヘロインを所持していたとして、中国当局に逮捕された。

 男性は比ではなく、マレーシアから中国に入った。違法薬物に関して厳しい法律を持つマレーシアから、どのようにして大量のヘロインを持ち出せたのかが、今後、比、マレーシア両政府の検討課題となるだろう。

 密輸対策の議論には東南アジア諸国連合のほかの加盟国とも協力する必要がある。中国は近く、ミャンマーとラオスと合同で麻薬密輸組織が暗躍するメコン川流域でパトロールを行う。合同パトロールは、10月に同流域の、ケシが栽培されている「黄金の三角地帯」で中国人船員13人が殺害されたことによる。同地帯は古くから、ヘロインとモルヒネの産地として有名だ。

 アフガニスタンもケシの主要産地。比政府は中央、南アジア諸国政府とも協力し、麻薬密輸対策に乗り出さなければならない。南米では、比人がコカインの運び屋として麻薬組織に雇われている。

 麻薬の主要製造国は広く知られている。密輸による巨益は、麻薬の脅威と闘うべき立場の人々をも買収する。巨額の資金は比人を含む世界中に麻薬組織をはびこらせる。

 比人が麻薬密輸が死刑につながると十分に自覚するのは、もう数人、中国で死刑が執行された後だろう。それまで比政府は関係諸国と協力を強め、脅威の根源と戦うべきだ。(9日・スター)

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