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11月28日のまにら新聞から

博士と友人の見立て

[ 691字|2011.11.28|社会 (society)|新聞論調 ]

前大統領の病状

 アロヨ前大統領は我々をだましている。前大統領の陣営は、「フィリピンには彼女の疾患を治療できる専門医はいない」とうその主張をしている。比医療協会(PMA)会長のオラルテ博士や、彼女と同じ疾患の私の親しい友人の元ジャーナリストも同じことを言っている。

 この友人はバタンガスに住み、月に一度首都圏ケソン市内の病院に通う。比米両国籍を持つ彼は、米国で治療を受けていたが満足できず、比国内での治療を選んだ。

 オラルテ博士も、前大統領の病状は命を脅かすものではない、と話している。食欲が湧かないのは、自由を失う恐れから、ストレスがたまるせいではなかろうか。

 同博士は先日、PMAには前大統領を治療できる医師が100人いるとし、前大統領側の主張に反論した。専門医のリストを前大統領側に送ったが、返答はないという。

 前大統領の代弁者たちは、比の医療関係者らに悪印象を与えた。まるで比の医者は無能だと言っているようだ。比は諸外国に対し医療設備などの水準の高さを訴え「医療観光」を推進している。そのさなかに前大統領が外国で治療を受けるのか、と同博士も嘆いている。

 アキノ大統領は、政府の負担で、外国から専門医を呼び寄せることを申し出たが、前大統領は海外での治療を求めるばかり。政府は、海外に出れば、そのまま逃亡する可能性が高いとみている。

 前述の友人は、アロヨ前大統領が「本当に頸椎(けいつい)損傷なら、激痛でうなずくことも首を振ることもできない」という。「固定器具を使用することで、世間の同情を買おうとしている」とも話している。(23日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)

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