老朽化対策と維持管理を
空港使用料はどこへ
マニラ空港第1ターミナルがインターネットの旅サイトで世界最悪と名指しされた。同空港公団のホンラド総裁は、年間3千万人近くの利用者で飽和状態の中で、旅客の役に立つよう努めてきたと弁解。将来はルソン地方パンパンガ州のクラーク国際空港を主空港にするとの計画が浮上しているが、いつになるかは明確ではない。
空港施設が粗末なのは、老朽化とメンテナンス不足にある。同総裁のように元軍人が運営してきたためか、空港の雰囲気は兵舎のように殺伐としているし、入管や税関のゆすりやたかりの場という雰囲気すらある。
第1ターミナルの建設を手がけた比人建築家レアンドロ・ロクシン氏のデザインは悪くないが、割れた窓がそのままだったり、ベニヤ板で補修されているのは醜い。太鼓腹の職員らが所在なげにぶらつき、ただ休憩の時間を待っているようにさえ見える。
トイレは小さい。清掃員がいるが管理が行き届かない。ファストフード店のトイレは、客の出入りが頻繁だが、きれいだ。利用者から集められる空港施設使用料750ペソは、トイレに流されているとしか思えない。目に見えて清潔さが改善しないのだから。
最近、改善がみられた第2ターミナルは、風通しがよく広々とし、白い壁は温かみがあって、歓待を受けた気持ちになる。しかし、ここも管理が悪いため、老朽化が進みつつある。また、利用客が多いと入国審査やトイレに長蛇の列ができる。第3ターミナルは汚職にまみれ、国の恥をさらしている。
マニラ空港の評価はいつも下から数える方が早い。この国の恥だ。ニノイ・アキノ氏は、マニラ空港で暗殺されたが、マニラ空港に命名されたその名は、何度も汚されているのである。(20日・インクワイアラー)