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9月5日のまにら新聞から

不和と女性とロマンス

[ 752字|2011.9.5|社会 (society)|新聞論調 ]

子供に与える影響

 社会科学者たちは、結婚で結ばれた両親の元で育つ子どもは、良い子供になると一貫して考えてきた。政治家たちも、「父の不在」を問題視してきたのが実態だ。

 今年7月に米アリゾナ州立大学のクーパー教授らが行った調査では注目すべき結果が出た。この調査では、5歳児とその両親を対象に「(両親の)不和」が子供の養育にどのような影響を与えるかを追跡した。父親の不在だけでなく、未婚の母や、離婚した母にも焦点を当てた。

 母親たちに回答を求めたアンケート項目の中には、どのくらいの頻度で自分の子が、よその子をいじめたり、よその子のものを壊したり、自虐的になったり、尋常ではない叫び声を上げたりするか︱︱などが含まれている。

 また、年上の子供と一緒にいたがるか、家の物を持ち出したり、外で盗みを働くか、火遊びをするか、自分が愛されていないと感じているか、何も考えずに行動に走る傾向があるか、嫉妬しやすいか︱︱など多岐にわたる。

 調査の結果に基づいて、クーパー教授らが下した結論の主旨は、次のようである。①両親の不和は、対話能力の不足もあるが、それ以上に外的、社会的要因が大きい②一緒に住む親との接触の変化が子供に影響を与える③結婚しない両親の下に生まれた半数以上の子供が、不安定な精神状態になるリスクを背負う︱︱など。

 自ら家庭を持つ学者たちは、別れのない結婚を一貫して説く。それはそうなのだろう。しかし、女性の立場に立って考えると、結婚生活は女性のロマンスに対するあこがれや夢を奪うものだ。もし、母親が夢多き生活を望めば、子供たちもかき回される。これを認識しておくことは出発点だが。(1日・タイムズ、マギー・カラハー氏)

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