雇用創出に不可欠
投資環境の整備
アラブ世界で起きた政変は収束の兆しをみせず、比人海外就労者(OFW)は帰国を余儀なくされた。彼らは、海外で再び新たな働き口を見つけようと待機状態である。しかし、世界では景気回復が遅れており、外国人労働者市場は厳しい状況だ。
アキノ大統領は、OFWが比経済へ多大な貢献をしてきたと認めている。しかし、大多数の比人が海外に働き口を求める現状を憂慮。長期的目標として、国内で適切な賃金に基づいた雇用を創出するべきだと主張している。
しかし、医療従事者やエンジニア、気象予報士など、特殊な技能を持った人材が海外に流出し、国内では不足している。最近も、マニラ空港のタラップ制御技術者らが、海外企業からヘッドハンティングされて集団退職した。
比で雇用を創出するには、雇用を生み出す投資環境を整備することだ。成長を続けるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業さえ、さらなる環境整備が必要とされている。先週、比外国人商工会議所が合同で、BPO産業で必要となる個人情報保護の法令化を要求した。
国会休会前、下院委員会は、投資呼び込みに向けた財政的インセンティブの合理化法案を承認した。これは、比を魅力的な投資国とすることで、産業を育成促進し競争力を高める狙いがある。特に、生物医療システムや機器など先端産業へ投資を誘発するだろう。外国人商工会議所は、情報通信技術を専門に扱う独立機関や、サイバー犯罪防止法の制定なども要求している。
投資を呼び込みたいなら、大統領は投資家の懸念を解決するよう、与党とともに急いで取り組むべきだ。そうすることで、帰国した大多数のOFWに雇用機会を提供することができる。(11日・スター)